のどの病名専科
咽頭、喉頭、声帯等の病名や症状はもちろん、のど以外でのどに関する病気もご紹介。

伝染性単核球症〈でんせんせい たんかくきゅうしょう〉

【どんな病気?】

キスなどの経口感染で人から人にうつる感染症で、子ども及び思春期以後の成人に見られます。原因としてはEBウイルスが確実視されています。

【症状は?】

2~4週間の潜伏期ののち、急に39~40度の高熱が出て、頭痛、倦怠感をともない、首のまわりを中心に全身のリンパ節が腫れてくるのが特徴です。発疹が出ることもあります。リンパ節の一つでもある扁桃も赤く腫れ、白い斑点がついて、扁桃炎とに多症状を現すため、区別が重要となります。

【対処は?】

ワクチンなどがまだないため、根本的に治すことはできないため、症状を和らげる治療法がとられますが、治りにくい病気ではありません。

耳下腺炎・おたふくカゼ〈じかせんえん〉

【どんな病気?】

おたふくカゼウイルスによる感染症。唾液や飛沫によって感染します。

【症状は?】

1~2日、発熱、食欲不振、頭痛などの前ぶれの症状が出たのち、片方または両方の耳の後ろが急に腫れて痛みます。腫れは3日目ぐらいがいちばんひどく、徐々に軽くなります。片方だけに症状が起きた場合には、3、4日後にもう片方も腫れくるのがふつうです。ひどい難聴、膵炎、睾丸炎など、さまざまな合併症を起こすことがあるので、要注意!です。

【対処は?】

特効薬はないので、安静にして消炎薬を用い、腫れと痛みが治まるのを、待ちます。合併症が疑われる場合には、その対処も必要です。子どもは10日、成人でも2~3週間で治るのが一般的です。両側とも睾丸炎なると不妊の原因になるため、思春期以後でまだおたふくカゼにかかっていない男性は、ワクチン注射を受けることが勧められます。

気管内異物〈きかんないいぶつ〉

【どんな病気?】

病気ではないが、事故で気管の中に本来あるべきでないものが入ってしますもの。8割以上が10歳以下の小児に起こります。気管内異物となるものは、魚の骨、ピーナッツ、プラスチック製品、大豆、マッチの軸、くぎ、まち針、義歯、ステープラ(ホッチキス)の針などじつにさまざまです。

【症状は?】

激しいせきやせきこみ、ヒューヒュー・ゼーゼーいう音、胸の痛みなどが起こります。しかし、異物を飲みこんだことが本人もわからないほど、症状がない場合もあります。

【対処は?】

異物が長いあいだ気管で放置されると、気道に炎症が起こったり、ときには肺炎を起こすこともあります。症状がなくても、異物の吸入を目撃したら、ただちに耳鼻科あるいは呼吸器科の専門医に診せること。受診前には何かを飲んだり食べたりせず、できるだけ振動をさけ、呼吸がらくな体位で医師のところへ運びましょう。

睡眠時無呼吸症候群〈すいみんじ むこきゅうしょうこうぐん〉

【どんな病気?】

夜間、眠っているあいだに、激しいいびきをかくとともに、10秒ぐらい呼吸がとまり、これを一晩に何度もくり返す病気です。突然死との関わりが議論されていますが、脳の呼吸中枢の病気によるものと、扁桃肥大やアデノイド肥大、鼻づまりなどの病気によるものとがあります。

【症状は?】

睡眠中の大いびき、息を吸う時と吐く時の往復のいびき。それにともなうひっかかるような10秒間以上の呼吸停止。

【対処は?】

これらの症状には本人よりも家族が気づくことが多いので、気づいたらすぐに本人に知らせ、耳鼻科、できればいびき外来を受診しましょう。ほんとうに睡眠時無呼吸症候群か検査してもらい、もしそうなら原因を探り、それを治療してもらいます。
 子どもにも起こりますが、これはアデノイドなどが極端に大きくなっていることが原因で、手術で治ります。放置すると心臓障害や、突然死の原因となることがありますから、甘く見ないようにしましょう。

気管支ぜんそく〈きかんし〉

【どんな病気?】

発作的に気管支が収縮し、呼吸困難になるとともに、呼吸する時にゼーゼーという音(喘鳴)が起こる病気で、ハウスダストなどを抗原とするアレルギー病です。アレルギー体質を背景に、カゼ、気候因子などが誘因や、さらに、心理的要因も関係していると考えられています。

【症状は?】

安静時に起こる発作的な呼吸困難と、喘鳴が特徴です。こうした症状は、気管支の筋肉の急激な収縮や気管支粘膜の腫れ、分泌物の増加などによって、気管支の内腔が狭くなることによって起こります。発作はいつでも起こりえますが、とくに夜や早朝に頻繁です。カゼなど感染による症状は冬に多いのに対して、ぜんそく発作は春や秋の季節の変わり目に多いとされます。

【対処は?】

気管支ぜんそくではないかと思われたら、呼吸器の専門医を受診します。気管支ぜんそくと診断されたら、気長に、規則的に、同じ病院や医院、医師を受診し、医師との信頼関係のもとで治療することが望まれます。発作への対処や治療も、医師の指導下で実行します。

慢性気管支炎〈まんせいきかんしえん〉

【どんな病気?】

扁桃というのは慢性的に続く気管支炎ですが、急性気管支炎とは違って患者さんの特異な体質が関係しています。有毒ガスのほか、喫煙、大気汚染も原因と考えられますが、くわしいことは不明です。慢性副鼻腔炎の人に発病率が高く、しかもこの病気の人は先天的に気管支が感染を起こしやすいことが知られ、いくつかの要因が重なって発症するようです。比較的中年以降の男性に多いのですが、20代の人にも起こります。

【症状は?】

3カ月以上毎日続くたん、しかもそれが2年以上連続して起こります。冬に多く、カゼをきっかけとしてたんがとまらなくなります。たんははじめは白いのですが、細菌感染が起きてくると黄色や黄緑色になって、量も増えます。たんで気管支の一部がふさがるようになると徐々に呼吸困難を示します。

【対処は?】

軽いと思っても一度、早いうちに呼吸器科の専門医の検査を受けることが望まれます。とくに、黄色や黄緑色のたんが出て細菌感染が疑われる場合には、早くから治療を始めなければなりません。治療は、鎮咳薬(咳止め)、去痰薬、抗炎症薬、抗生物質などの薬物療法が基本です。重い時には入院も必要となります。
 自分でも、カゼをひかないよう心がける、汚れた空気を吸わないようにするなど、症状を悪化させない努力をすることが重要です。

びまん性汎細気管支炎〈びまんせい はんさいきかんしえん〉

【どんな病気?】

慢性気管支炎の一種で、特異な体質の人に起こります。気管支の先の細い部分を細気管支といいますが、ここが細菌による重い感染をくりかえしたり、大気汚染物質などの有毒ガスを吸うことによって慢性の炎症を起こすものです。ほとんどの例で慢性副鼻腔炎を合併していて、鼻から気道全体まで感染しやすい体質の人がかかります。

【症状は?】

毎日のようにたくさんのたんが出て、せきもはげしく、さらに呼吸困難を生じます。低酸素血症を起こしてチアノーゼ(ツメや唇が紫色になる)になることもあります。

【対処は?】

呼吸器科の専門医の治療が必要です。治療の基本は慢性気管支炎と同じで、去痰薬、抗炎症薬、抗生物質など薬物による治療が中心です。ひどい呼吸困難やチアノーゼを起こしている場合には、入院しての治療も必要となります。同時に、耳鼻科で慢性副鼻腔炎の治療も受けます。
 慢性気管支炎と同様、カゼをひかないよう心がける、汚れた空気を吸わないようにするなどの努力をしてください。

過敏性肺臓炎〈かびんせい はいぞうえん〉

【どんな病気?】

アレルギー性の肺の病気。肺に吸いこまれたカビの胞子や小鳥の排泄物などの粉塵が抗原(アレルギーの原因となるもの)となって起こります。空気といっしょに吸いこまれた粉塵に対してアレルギール反応が起こり、その結果、肺の間質(肺胞や血管、気管支を支える組織。図参照)という部分に肉芽腫と呼ばれる小さな組織のかたまりができて、炎症を起こすもの。肺胞に炎症が起こるものを肺炎、間質に起こる炎症を肺臓炎といいます。

【症状は?】

肺炎が肺の一部にとどまるのに対して、肺臓炎は肺全体に及びます。そのため、呼吸が苦しくなります。せき、発熱もあり、夏に起きやすいので夏カゼとまちがわれることもあります。

【対処は?】

かかりつけ医や病院の呼吸器科で診断・治療してもらいます。原因となるもの(抗原)から離れるのがいちばんで、軽い場合にはそれだけで治ります。呼吸困難が強い重い場合には、副腎皮質ホルモンを用います。
 発症の原因は自宅にあることが多いので、カビの生えやすい場所(エアコン、加湿器など)を探し、清潔に保つなどの注意が重要です。アレルギー体質の人は、小鳥などを飼うのは避けるほうが無難です。

鉄欠乏性貧血〈てつけつぼうせい ひんけつ〉

【どんな病気?】

貧血とは、からだの中のヘモグロビンの量が少なくなっている状態をさします。ヘモグロビンは赤血球中にあるたんぱく質の一種で、からだじゅうの細胞に酸素を運ぶ働きをもっています。ヘモグロビンは血色素ともよばれ、赤血球の赤い色はヘモグロビンの色によります。
 貧血の原因はさまざまですが、いちばん多いのは、ヘモグロビンの材料の一種である鉄が足りないために赤血球を十分につくることができず貧血状態になるもので、これが鉄欠乏性貧血です。鉄欠乏を起こす原因は、食物からの摂取が不足する、消化管の働きが悪いためうまく吸収されない、出血などによって失われているなどです。

【症状は?】

顔が青白くなる、酸素不足で心臓や肺がよけいに働かなくてはならず、息切れ・動悸が起こる、疲れやすい、立ちくらみがする、頭が重いなどがおもな症状です。

【対処は?】

ゆっくり進む場合には症状を自覚しにくいことが多く、かなりひどい貧血でも本人が自覚していないことがあります。症状に気づいたり、定期健康診断で貧血の可能性があるといわれた場合、勝手に鉄剤を買って飲んだりせず、きちんと医師を受診して、ほんとうに鉄欠乏性貧血であるのか、検査してもらいましょう。と同時に、貧血の原因を明らかにする必要があります。出血の原因だけでも、女性の月経のほか、胃・十二指腸の潰瘍、子宮筋腫などの場合もありますから、原因を明らかにし、それに合った適切な治療を受けることが重要なのです。
 治療は、鉄剤を飲むことです。もちろん、原因となっている病気の治療も行われます。

甲状腺機能異常〈こうじょうせんきのういじょう〉

【どんな病気?】

甲状腺はのどぼとけのすぐ下にある臓器で、2種類のホルモンを分泌します。この2種類の甲状腺ホルモンは、体内での新陳代謝を活発化させるとともに、細胞や組織の発育・成長にかかわる重大な働きをします。
 甲状腺機能異常には、甲状腺ホルモンが多すぎる「甲状腺機能亢進症」と、ホルモンが不足する「甲状腺機能低下症」とがあり、どちらも女性に多い病気です。機能亢進症の代表は「バセドウ病」で、女性は男性の5倍、機能低下症のほとんどは「橋本病」で、こちらは女性は男性の30倍といわれています。どちらも原因は不明ですが、自己免疫病だと考えられています。

【症状は?】

バセドウ病の症状は急激に出ることが多く、甲状腺が腫れる、目つきが鋭くなる、皮膚が黒っぽくなる、新陳代謝が活発になりすぎるため心臓がドキドキする、よく食べるのにやせてくる、体温が上がり汗かきになる、すこし動くだけで疲れるなど、全身に多くの症状が現れます。
 橋本病の症状は、軽いうちは気づかれないことも多く、やがて物忘れ、居眠り、話をする時に口がもつれるなどが見られるようになります。こうした症状は、更年期に現れると更年期障害とまちがえられることがあります。少し重くなると、むくみ、寒さに弱くなる、食事の量は減っているのに体重は増える、おなかがはって便秘する、心臓の働きが低下する、ちょっとしたことでこむらがえりになるなどの症状が出てきます。

【対処は?】

どちらも、甲状腺の専門医の診断を受け、治療方針を立ててもらいます。亢進症の治療は、ホルモンの合成を抑えるくすりを飲む、放射性ヨードを使うアイソトープ療法、甲状腺を部分的に手術で切り取る方法などがあります。低下症は、甲状腺ホルモン薬を飲んで補うのが基本です。

急性副鼻腔炎〈きゅうせいふくびくうえん〉

【どんな病気?】

カゼの時などに急性鼻炎が起こりますが、これに続いて鼻が二次感染を起こし、粘膜の炎症が鼻腔から副鼻腔におよぶものです。咽頭炎、扁桃炎、ムシ歯、顔の骨の外傷などからの細菌感染が原因となることもあります。

【症状は?】

寒け、発熱、鼻水、頭痛、頭重感、副鼻腔炎の周囲の痛みなど。痛みはうつむくと強くなります。

【対処は?】

カゼのあと、鼻づまりやその周囲の痛みが起こったら、早めに耳鼻科を受診しましょう。治療は、炎症と粘膜の腫れの対症療法で、血管収縮薬のスプレイ、消炎薬、抗生物質などの噴霧・吸入が行われます。細菌感染を防ぐために、消炎薬や抗生物質の内服も必要です。副鼻腔にたまったウミを出して洗浄する方法も効果的です。

慢性副鼻腔炎・蓄膿症〈まんせいふくびくうえん・ちくのうしょう〉

【どんな病気?】

急性副鼻腔炎が治らず、慢性化したもの。

【症状は?】

鼻水、鼻づまり、頭重感など。鼻づまりのため口吸となり、のどへまわった鼻水が気管支にまわって気管支炎を起こすこともあります。また、嗅覚障害、集中力の低下も起こります。

【対処は?】

副鼻腔内に、粘膜の腫れをとって粘液を排出しやすくするため血管収縮薬をスプレイし、きれいになった鼻腔や副鼻腔に、抗生物質、副腎皮質ホルモンなどを噴霧する療法を行います。ウミ汁が固形化すると自然には排出されないので、手術が必要になりますが、子どもの場合には副鼻腔は発達段階にあるため、15歳ぐらいまでは原則として手術は行いません。

咽頭異常感症・咽喉頭神経症〈いんとういじょうかんしょう・いんこうとうしんけいしょう〉

【どんな病気?】

咽頭・喉頭を耳鼻科医が検査しても炎症や腫瘍などの異常や、のどに異常感をもたらす全身的な病気がないのに、のどの異常感を訴えるものです。

【症状は?】

のどがつかえる感じ、のどが痛い、のどがイライラする、のどが乾くなど、いろいろな症状を訴えてきますが、検査しても異常が見当たらないものです。つばを飲みこむ時には異常感があってうまく飲みこめないのに、食事の時には異常がないというのが特徴です。原因は、のどのがんに対する恐怖、心理的・精神的要因などです。

【対処は?】

うがいをこまめに行い、のどを乾燥させないように心がけます。それでも異常感がなくならない場合、心療内科やメンタルクリニックを受診して、がんへの恐怖や心理的・精神的原因を解明してもらいましょう。

心因性失声〈しんいんせいしっせい〉

【どんな病気?】

以前は「神経症(ノイローゼ)」と呼ばれた、心理的な原因による心の病気の一つ。のどや声帯など発声にかかわる部分を検査しても何の異常も認められないのに声が出なくなるもので、以前はヒステリー障害とも呼ばれた。現在では「転換性障害」と呼ばれる心の病気に分類され、心理的な問題がからだの症状や機能障害に転換されて表現されるものと考えられています。

【症状は?】

声が出るのに出ないふりをする偽の病気(詐病)とは違って本当に声が出なくなるもので、本人はたいへん苦しみます。転換性障害は、失声のほか、歩けなくなる、見えなくなる、痛みを感じなくなる、発作やけいれんを起こす、ものを飲みこめなくなるなど、さまざまな症状や、それらが重なった症状を現すパターンがあります。

【対処は?】

精神科医に相談しましょう。最近では精神科の薬がたいへん進歩しているため、薬を飲みながらカウンセリングや心理療法を受けるというのが、旧神経症の治療の基本です。気の合う精神科医を見つけ、焦らず治療するようにしましょう。

うつ病・うつ病性障害〈うつびょう・うつびょうせいしょうがい〉

【どんな病気?】

新しい精神科の病気の分類では「気分障害」と呼ばれる心の病気の一つ。原因は、体質的な面や、性格的なもの、また大きなストレス、強いストレスなどが重なって発症すると考えられています。

【症状は?】

基本にあるのは落ち込んだ気持ち(抑うつ感情)で、気が沈む、気分がすぐれない、何かをやる気がしない、何をしても楽しい気持ちがしないなどと訴え、周囲に対する興味や関心を失います。表情や動作にもこの気分が反映され、活気がなく、悲しげになります。とくに朝が気分が悪く、夜になるとやや軽くなります。不眠や食欲減退、性欲減退などの身体症状も伴います。
 最近ではさらに、胃・十二指腸潰瘍、頭痛、呼吸困難など身体の病気が表面に出る「仮面うつ病」など軽いうつ病が多く、症状も多彩です。

【対処は?】

うつ病は心のカゼといわれるぐらい、現代人にはポピュラーな病気です。深刻に考えず、精神科医を受診し助力をたのみましょう。病気の初期や回復期には、死にたいと思ったり、自殺を企てたりすることがあります。家族は、励ましたり叱咤したりせず、心身の負担を軽くするなど十分に休養できるよう援助してあげてください。