
必見! 「声の力」で成功するプレゼン法
- コラム
短期間で身につき、効果が高いビジネススキル「声の使い方」

どんな声をしているか、伝えたいことが伝わる声かどうかということは、その人自身を強く印象づけるものです。顔や名前だけでなく、声も一緒に覚えてもらえたら、ビジネスをはじめ、さまざまな場面であなたの印象が強く残るでしょう。
ビジネスで役立つ「声の使い方」について、ヴォイスコンサルタントの林重光さんにお話を伺いました。
ビジネスに効く声とは?
ビジネスの場で、TPOに合わせて身だしなみを整えるのは最低限のマナーです。ただ、声についてはどうでしょうか。多くの人が素のままの自然な声や話し方をしていませんか。
たとえば、いくら言葉づかいがていねいでも、抑揚のない声で早口でまくし立てる人を前に「穏やかな人だな」とは思いません。
声や話し方は、言葉を伝えるための単なるツールではなく、「知性がありそう」「信頼できそう」といったイメージを相手に伝えるものでもあるのです。
声は「個声(こせい)」、理想の声の見つけ方
まずは「この人の声に近づきたい」と思えるモデル探しをしてみましょう。プレゼンスキルを磨きたいなら、職場や学校などでスピーチやプレゼンが上手な人の声を①高低、②強弱、③テンポ、④声質(声色)について分析してみましょう。適当な人がいなければ、著名人やYouTubeの動画など直接会ったことがない人でもかまいません。ボイスレコーダーに録音した自分の声と比較して違いを確認し、モデルにしたい声をまねてみます。
この①~④の声の4要素を調整することで、さまざまな声を使い分けることができます。自分を表現する「個声」を見つけましょう。
いつでも「安定した声」を出せる3つのテクニック
知らない人や多くの聴衆の前で話すときは、誰でも緊張するものです。からだが緊張してこわばると、声帯も緊張して安定した声を出せなくなってしまいます。声がふるえて上ずったり、うまく抑揚がつけられず硬い声になったり……。
緊張しやすい人は、次のことを実践してみてください。
1 足の裏が地面についているのを感じる
「くっついている」という感覚に集中することで、「失敗したらどうしよう」といったネガティブな思考をシャットアウトすることができます。
2 「紙芝居の語り手だ」とイメージする
注目されると自分に意識が向きすぎて、不安や恐怖で頭がいっぱいになってしまう人は、話す内容が紙芝居であるとイメージし、聴衆は紙芝居(話す内容)に集中しており、自分はいわば語り手(裏方)だという意識を持つと、声のパフォーマンスが上がります。
3 薬指と小指を折り曲げる
手が「グー」の握る形だと首回りに力が入りやすく、声帯のコントロールがしづらいのですが、薬指と小指だけを曲げるようにすると、上半身の力が抜け、丹田(へその下、指四本分くらい)に力が入り腹式呼吸がしやすくなるので、安定した声が出るようになります。

手の形を変えるだけで、安定した声、少し高く、明るい声が出るようになります。
本番前に行いたい!「いい声」が出るようになるエクササイズ
肩甲骨周辺をほぐすことで、呼吸がしやすくなり、声も出やすくなります。肩を回すなどして、文字通り肩の力を抜きましょう。 滑舌をよくするには、顎関節の筋肉をほぐします。あご周辺の筋肉に、口が開くべき方向を教えてあげるイメージで行なってください。

1 耳の穴の前にある顎関節に手を当てる
2 口をポカンとあけ、両手をゆっくりとなでおろす
3 おろした手を胸の前で合わせる
これを10回繰り返す

林 重光(はやし しげみつ)先生
ヴォイスコンサルタント。MAKE UP VOICE代表
政治家や経営者、芸能人などを対象に声と言葉のブランディングを行い、約1万人を指導。企業や学校などでも研修や講演を多数実施し、よりよく伝わる発声法を紹介している。
制作協力:NHKエデュケーショナル