口臭が気になるあなた、 原因はもしかして 「ドライマウス」かも?

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コロナ禍で増えるトラブル「ドライマウス」

マスクを長時間つけるようになってから、以前より口の中が乾いたり、口臭が気になったりすることはありませんか?
高齢者に多いと思われていた「ドライマウス」ですが、最近は30代、40代の女性にも増えていると言われます。その原因とケアについてお伝えします。

ドライマウスとは?

ドライマウスは「口腔乾燥症」と呼ばれ、もともとは更年期以降の女性に多くみられる症状でした。加齢や、薬の副作用、唾液腺の病気のシェーグレン症候群などによって唾液の分泌量が減るため、口が乾きやすくなるからです。
唾液には抗菌作用や湿潤作用があり、食べ物のカスや細菌を洗い流したり、口の中を保護したりする重要な働きがあります。そのため、唾液が減ると、しゃべりにくくなったり、乾いたものが食べづらくなるだけでなく、虫歯、口内炎、味覚障害といった病気を引き起こすことがあります。

※薬の副作用では抗ヒスタミン薬のほか頻尿や喘息の治療薬、消化性潰瘍治療薬、高血圧治療薬など多くの薬が知られている

【ドライマウスの症状チェック】

■ 口やのどの乾きがずっと続く
■ 口の中がネバネバする
■ 口の中が痛い
■ パンやビスケットなど乾いたものが食べづらい
■ 味覚がおかしい
■ 夜、口が乾いて目が覚める
(NHK「きょうの健康」HPより)

口呼吸をすると、口が乾く!

一般的にはマスクをしていると、口のなかの乾燥を防ぐことができると考えられています。ところがコロナ禍でずっとマスクをつけていると、息苦しさを感じて、つい口呼吸になりがちです。

口呼吸で口が開いていると、唾液が蒸発して口腔内が乾燥してしまい、ドライマウスになりやすいというわけです。また、鼻呼吸では、空気が鼻腔で加湿・加温されて気道に送られますが、口呼吸にはその働きがないため、口だけでなく、のども乾いてしまいます。 マスク装着中、気づいたら「お口ポカン」の状態になっている、という人は口呼吸をしている証拠。「ドライマウス」になっているかもしれないので、気をつけましょう。

ストレスも原因!? 不規則な生活にも要注意

とくに若い人がドライマウスになっている場合は、口呼吸のほか、不規則な生活やストレスで自律神経のバランスをくずし、唾が出にくくなっていることも考えられます。
「固唾(かたず)を飲む」という言葉があるように、緊張すると唾液が出にくくなります。ストレスがかかる状態が続くと、口のなかは乾きがちになり、ドライマウスの原因となってしまうのでリラックスできる時間をもつことが大切です。

ドライマウスを防ぐセルフケア

まずは口を閉じて鼻呼吸を習慣にすること。就寝時に、市販の口呼吸防止テープをつけるのもおすすめです。

食事のときにはしっかり噛んで唾液の分泌を促すことが大切。噛むことで唾液腺が刺激されるので、やわらかいものばかり食べずに、噛みごたえのあるものを選んで、よく噛む習慣を身につけましょう。

のどあめをなめたり、ガムを噛んだりするのも、唾液の分泌が促され、口腔内のうるおいを保つことにつながります。

(2023.2.28掲載)

教えてもらった先生:中川洋一先生

口臭治療のスペシャリスト。ドライマウスなど口腔内の病気に対して幅広く精通。口臭治療と予防について「わかりやすく伝える」歯科医師として、テレビ出演多数。鶴見大学歯学部附属病院では口臭外来とドライマウス外来の診療責任者をつとめる。

制作協力:NHKエデュケーショナル

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