もの知りのどコラム
デリケートなのどを守るために知っておきたいことや、のどに関する雑学をご紹介します。

3.年代別のど注意報

年代ごとに変化するのどへの注意点!

児童期

 子どものうちは免疫力が弱く、また大人にくらべると子ども同士は、なめたり、キスしたり、泣いたり、けんかしたりと、全身を使って濃厚な接触をするため、感染症にかかりやすい時期です。  さらに、子どもののどの構造は、アデノイドや扁桃が生理的に大きく、耳管は太く直線的という特徴があります。このため、子どもの時期は、老年期とともに、中耳炎が多い時期です。

・滲出性中耳炎

滲出性中耳炎は、耳管を通して炎症が中耳に進入し、液体がたまるものです。子どもの太くまっすぐな耳管からは、カゼなどのときに耳管を通じてのどや鼻の炎症が中耳に進入しやすく、また、子どもはアデノイドや扁桃炎をおこしやすいのですが、その際、肥大したアデノイドに圧迫されて耳管が狭くなって、滲出性中耳炎を起こしたりします。症状は耳がつまる感じと難聴ですが、痛まないため子どもは症状を訴えず、発見が遅れることがあります。テレビの音がいつもより大きすぎる、後ろから呼んでも返事をしないなどという場合には、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

 

思春期

第二次性徴の始まる思春期になると、性ホルモンの作用により、男性は平均して約1オクターブ、女子でも1音半ぐらい、声が低くなります。これはのどの軟骨の成長とともに、声帯が伸び、厚くなるためで、低い声で安定する(声変わりの完成)までに3~12カ月かかります。このあいだには、高い声が出なくなるだけでなく、声がかすれる、声がひっくり返る(いわゆる裏声になる)、のどの違和感などが現れることもあります。

この時期には、無理して高い声を出さないとともに、声の使い過ぎにも注意しましょう。かつてボーイソプラノの美声の持ち主で歌手志望だったのに、この時期無理に声を出そうとしたために、その後しゃがれ声になったり、声が裏返るクセがついたりして、歌手をあきらめたという例もあります。

また、いつまでたっても声変わりしないときには、第二次性徴が順調に進んでいないこともあります。小児科などで一度、内分泌の検査をしてもらいましょう。

中高年期

中高年期は、からだの各部分にそろそろ老化が現れるとともに、長年の生活習慣の結果が出はじめる時期で、がんの怖さを感じ始める人もふえます。そのため、この時期に声がかれたり、のどに違和感を感じると、「喉頭がんではないか」と心配します。しかし多くはもっと単純な、軽い病気です。

・更年期ののどの違和感

女性の閉経期前後から数年間、さまざまな症状が出て、生活上の困難を訴えるものを更年期障害といいます。これは、女性ホルモン、主に卵胞ホルモンの分泌が急激に減るために起こるものですが、そのなかには、のどが渇く、ものがうまく飲み込めないなど、のどの違和感についての訴えもあります。

これらの症状は、糖尿病やほかののどの病気などの場合にも現れますから、それらの病気ではないか検査をすることになりますが、検査しても病気は見つからず、更年期だけの症状として出る場合もあります。

・ポリープ様声帯

もう一つ、中年期の女性に多いのが、ポリープ様声帯です。これは、声帯の全体がむくんだように膨らむもので、ひどくなると呼吸困難が起こることもあります。タバコを吸う習慣があって、声をよく使う仕事の人がなりやすいため、いわゆる“酒場のママさん”などに多く見られます。

・睡眠時無呼吸症候群

男性の中高年層に多い病気の一つに、睡眠時無呼吸症候群があります。この原因はいろいろですし、中高年だけの病気ではないのですが、中高年層では、肥満にともなってのどの内側にも脂肪がつき、その結果、のどの内腔が狭くなって呼吸困難におちいるものが増えます。

老年期

老年期は、からだ全体が老化してくるとともに、身体機能が落ちてくるため、のどにもいくつかの症状が現れはじめます。その主なものは、のどが渇く、飲み込む・吐き出すなどの反射がにぶる、ものが飲み込みにくい(嚥下障害)、などです。反射がにぶることと嚥下障害が重なって、のどにものを詰まらせることもふえます。嚥下障害がある人には、食べ物の形を、蒸し物、かゆ状をふやし、トロミなどをつけて飲み込みやすくするなどの工夫も大事です。

・のどが乾きやすい

老化とはすなわち、体の水分が減っていくことだといった人がいますが、じっさいお年寄りのからだには50%程度の水分しかありません(若い成人は65%くらい)。
そのため、のどが乾きやすいはずですが、そうしたことを感じる力も鈍りぎみ。また、夜にトイレに行くのがいやだからと、夜になると水分をとらなくなる人もいて、ますますのどが乾きやすくなります。のどが乾くとのどが本来持っている洗浄作用が失われ、カゼをひいたりのどや呼吸器の病気になりやすくなります。

「のどが乾いた」と感じなくても、定期的に水やお茶を飲むこと。夜中に水分が不足すると血栓が起こりやすく、脳卒中や心筋梗塞の誘因になりますから、とくに寝る前にかならず水分をとりましょう。枕元に水差しや急須を置いて、夜中に目が覚めたときも水分を補給できるようにしておきましょう。

・喉頭異物(とくにおもち、肉、入れ歯)

お年寄りがのどに詰まらせることが多いものは、餅、入れ歯の金具、そしてくすりのPTP包装(錠剤やカプセルを1個ずつくるんであるアルミ箔)などです。

なかでも危険なのはおもち。入れ歯や歯がない人の場合、おもちのような弾力のあるものが意外にかみ切りにくいため、そのまますすり込む人がいます。これが、のどに詰まるならまだいいのですが、気管との分岐部に詰まるとたいへん! 命にかかわります。