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「耳鼻科医から見たアーティストと演奏 第30回」を公開しました

2025.09.29 お知らせ

耳鼻科医の立場から、医学と演奏を探る

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「耳鼻科医から見たアーティストと演奏 第31回」


ゲスト:住谷美帆さん(サクソフォーン奏者)、お話:竹田数章(仙川耳鼻咽喉科院長)

意外なことに、これまでこの連載では、ゲストにサクソフォーン奏者を呼んだことがなかった。そこで、話題の女性サクソフォーン奏者、住谷美帆さんにお声がけした。この楽器の奏者も楽器特有の悩みを持っていた。

<音楽之友社刊「音楽の友」2025年9月号掲載>

 

喉、首の脱力

住谷
私の生徒たちは、喉周辺の首に力が入ってしまうという悩みを持っているかたが多いですね。

竹田
首の力だけを抜こうとしても、なかなか抜けません。身体はつながっていますので、ほかの身体の部位も緩めます。自分が研究している、アーテム・トーヌス・トン(Atem-Tonus-Ton)という呼吸法があります。ドイツ語で、アーテム=呼吸、トーヌス=医学的には筋肉の張力、トン=声・音。呼吸と音をつなげる筋肉の使いかたについてのエクササイズです。そのエクササイズでは息を吸うとき、背中ひいては仙骨をふくめた骨盤のほうまで緩めてあげると、首の力も緩みやすいと教えます。もう一つは、サクソフォーンをくわえると支えがかかり、首にも楽器の荷重がかかってしまいます。顎関節を痛める人もいます。顎関節症になると、口を開けにくくなり、ますます演奏に負担がかかります。それだけではありません。口の開閉に関わる外喉頭筋群という筋肉群があります。首の喉頭の上には舌骨があり、喉頭とつながっています。舌骨上筋群と舌骨下筋群が外喉頭筋群にふくまれます。それらで口を開閉しています。楽器をくわえて演奏するときは、そのあたりの筋肉も働くわけです。さらに外喉頭筋群は喉頭を上下させたり、声帯の運動にもかかわったりします。このことで音色も変わります。これらの筋肉が使われると首にも力がかかり、固くなりやすくなることも考えられます。それとサクソフォーンはストラップで首から吊り下げていますが、たとえば、ストラップの使いかたなどで負担を軽減できないかと。楽器を支える腕や指にも負担はかかると思うのです。ストラップにはたくさん種類がありますよね。

 

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