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「耳鼻科医から見たアーティストと演奏 第22回」を公開しました

2024.04.08 お知らせ

耳鼻科医の立場から、医学と演奏を探る

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「耳鼻科医から見たアーティストと演奏 第22回」


ゲスト:佐藤采香(ユーフォニアム奏者)、お話:竹田数章(仙川耳鼻咽喉科院長)

今号のゲストはユーフォニアムの佐藤采香さん、現在もっとも活躍しているユーフォニアム奏者の一人だ。「お聞きしたいことがたくさんあります」と、竹田先生との対談を楽しみにしていたとのこと。

<音楽之友社刊「音楽の友」2024年3月号掲載>

 

聴こえかた、腹式呼吸

道下
ユーフォニアムを演奏するなかで、お身体の悩みはございますか。

佐藤
ユーフォニアム奏者は、バス・トランペットを演奏する機会もあります。ユーフォニアムは、ベルの向きがほかの金管楽器とは異なります。パス・トランペットを演奏するとき、音の出ていくイメージをつかむ方法がユーフォニアムとはまったく変わり、耳の使いかたも変わるような感じがします。

竹田
耳や頭の形による音響特性を、「頭部伝達関数」といいます。これは耳や頭の形によって、音質が変わることをいいます。たとえば前面と後ろから来る音では、なんとなく違いますよね。前のほうから来る音は、頭部の前面を通り、耳たぶに直接入ってきます。いっぽう、後ろから来る音は、頭部の後面を通り、耳たぶの後ろから音が回り込んでくるので違う音質として聴こえます。ユーフォニアムの抱えかたですと、上の方向に音が広がっていきます。頭や顔の正面から来る音と上方から来る音では、伝わりかたがちがうので、音質が異なって聴こえるのです。

佐藤
私の呼吸の方法は少し独特です。普通は腹式呼吸ですが、じつは私はそれが最初からよくわからないのです。おなかが膨らむのを感じ、息をサポートし、息を吐き出して、まっすぐ息を出す。それを最初に教えてもらいましたが、違和感をずっと持っています。お腹に息を溜めることが私にはできないのです。

竹田
腹式呼吸、胸式呼吸という言葉がありますが、全身で呼吸をしているというとらえかたが大事だと思います。

佐藤
意識的に使えるのですか。

 

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