• 喉頭・気管の病気

声帯麻痺 せいたいまひ

のどの病気

どんな病気?

声帯の動きを司っている「反回神経」に麻痺がおこり、声帯の動きが悪くなる状態です。 反回神経は、左右の頸部から胸部へ向かい、肺の内側や心臓の周囲を走行し、 その後気管と食道の間を通り、甲状腺の中を通って声帯に向かいます。
その経路で障害を受けると麻痺をきたすため、甲状腺、食道や肺の疾患、 胸部大動脈瘤やそれに伴う手術が原因で生じます。 また稀にウイルス感染により麻痺が生じることもあります。

症状は?

声帯麻痺の主な症状は、かすれ声です。声帯の動きが悪くなるため、 飲み込みにくさや誤嚥も生じやすくなります。
左右両側の反回神経に麻痺がおこると、麻痺した位置によっては呼吸困難を引き起こすことがあるため注意が必要です。

治療法は?

左右どちらかが麻痺する片側性と、両側が麻痺する両側性で治療法が異なります。
片側性で発症から半年以内の場合は回復が期待できるため、音声治療や保存療法などを行います。 半年以上経過している場合や誤嚥がある場合は手術が検討されます。 この手術には、外切開により声帯を内側に移動する方法や、注入により隙間を狭くする方法があります。
両側性で呼吸困難がある場合は、緊急的に気管を切開して空気の通り道を確保します。 場合により、声帯の切除や声帯を外側に引っ張る手術で空気の通り道を広げます。

監修 本橋玲先生
東京医科大学病院
耳鼻咽喉科・頭頸部外科 講師
  • 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定専門医
  • 耳鼻咽喉科専門医研修指導医
  • 日本頭頸部外科学会認定頭頸部がん専門医
  • 日本気管食道科学会認定気管食道科専門医
  • 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定喉頭形成手術実施医
  • 日本音声言語医学会認定音声言語認定医
  • 痙攣性発声障害ボトックス施行医
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監修 本橋玲先生
東京医科大学病院
耳鼻咽喉科・頭頸部外科 講師
  • 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定専門医
  • 耳鼻咽喉科専門医研修指導医
  • 日本頭頸部外科学会認定頭頸部がん専門医
  • 日本気管食道科学会認定気管食道科専門医
  • 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定喉頭形成手術実施医
  • 日本音声言語医学会認定音声言語認定医
  • 痙攣性発声障害ボトックス施行医

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