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「耳鼻科医から見たアーティストと演奏 第18回」を公開しました

2023.08.30 お知らせ

耳鼻科医の立場から、医学と演奏を探る

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「耳鼻科医から見たアーティストと演奏 第18回」


ゲスト:堀ちえみ(歌手)、お話:竹田数章(仙川耳鼻咽喉科院長)

「アイドル」の登場だ。今年、デビュー41年を迎える堀ちえみは、歌手活動や1983年のテレビ番組『スチュワーデス物語』などで時代を代表するスターとなった。しかし、その彼女をこれまでさまざまな病魔が襲い、とくに2019年のステージ4「舌がん」発見とその闘病については、メディアで詳しく報じられたのでご存じのかたも多いのではないだろうか。今年、歌手として復活した彼女が、のどや身体の使いかたについて、竹田先生と語り合った。
<音楽之友社刊「音楽の友」2023年8月号掲載>

 

疲れにくい喉

私は、声帯については疲れにくいのです。若いときにポリープができ、切除するかどうかを悩んだ時期もありました。でも、そのまま切らずに、腹式呼吸でなんとか乗りきっています。

竹田
それは、「声帯結節だった」かもしれません。声帯にペンだこのようなものができるものです。声帯は2本あります。発声のときには、それらが合わさって振動しますが、強く合わさってしまうと、ペンだこのように固く腫れてきてしまいます。結節は、あまり手術しません。


でも、両側の声帯の合わさりが悪くなると、声がれしませんか。

竹田
そうなのです。息漏れ声になりやすいのです。結節は両側にできます。ポリープは片側だけできるケースが多く、血豆のようなものですが、その場合も息漏れ声になります。


結構、力が入ってしまいます。

竹田
ノドに力が入りすぎると、声帯を締めてしまいますが、呼吸などを手助けにすると、負担は減ります。ここに入っていた力が抜けると、結節はできにくくなります。堀さんは、それで克服なさってきたのかと思います。じつは、堀さんの動画を少し拝聴しました。本番の25曲と、その前の25曲を歌うリハーサル…… 大変ですね。


レッスンのときも、歌えば歌うほど喉の調子がよいのです。舌を手術で移植して以降、血流がよいほうが舌の動きもよいのですが、舌根を鍛え、皮弁を動かさなければ、あとから付けた舌は勝手には動いてくれないのです。家でレッスンしていても、5時間ぐらい自分が納得いくまで歌っても、声はまったくかれないし、喉の調子も悪くなりません。むしろ、喉も舌も調子がよくなります。

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